暗道のわれの歩みにまつはれる蛍ありわれはいかなる河か 前登志夫
童謡の、「ほ・ほ・ほーたるこい そっちのみーずはにーがいぞ こっちのみーずはあまいぞ 」を
共有のものとしているとおもいます。
蛍の飛び交うのは清流のゆるやかな川・田舎の小川。
街灯などない真っ暗な道です。
蛍のほのかなあかりをみるためには手に灯をともしていてもいけない。
なので、足元をたしかめつつ、ゆっくりゆっくり慎重にあゆむ。一寸先は闇だから。
前さんの頭の中は真っ暗闇を歩くどきどきと、
ふわりと寄り添ってくれた蛍のはかなくもこころづよい光へのよろこびと
こどものころに聞き覚えた蛍の歌がリフレインしているのだとおもいます。
いろんな人生をあゆみ、いまでも「暗道」をあゆんでいる「われ」。
海千山千のひとびととのやりとりの荒波にもまれてきたのかもしれません。
にがい水かもしれない。あまい水ではないかもしれない。
それでもそっと「まつはれる蛍」がいて、
これまでの歩みを肯定してもらったような安堵と平安をおぼえたのではないかとおもいます。
山間ならではの歌だとおもいましたが、前さんの生活がにじみでている歌ですね。
共有できない世界かもしれないけれど、現代の刹那的な叫びのような歌よりもほっとする歌で、
わたしはであえてよかったなぁとおもいました。
山林の中ならではの音や空気や神秘的なものなどを感じます。
(2008年12月17日)
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