*月下  桜 の 世界*



わからない歌とは。

『短歌研究』2月号に穂村さんの50首が載っていて興味深い。
それとあわせて「わからない歌」特集がまたおもしろく、わからない歌にひきあいにだされている穂村さん。
そもそも「わからない」ってなんだ?というあたりからしておもしろいとおもう。

「わからない」、あるいは「わかる」というのは、いろんなとらえかたがあるのだろうけれど、
じぶんのなかのなにかと共鳴しあうかどうか(それが不協和音だとしても)ということなんじゃないかな、とおもう。

歌を「読む」ということについてはさまざまな方法があったり解釈がちがうのだろうけれど、
一文字一文字の意味をたどってゆく方法であったり、
歌を詠まれた背景や情景を資料で辿る方法であったり、
その人となりをしることで浮き上がってくるものであったり、
いろんな手段でのアプローチがある。

たとえば岡井さんが講演会で話をされていた、
白秋の
春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと外の面の草に日の入る夕

これが、森鴎外の邸宅でもよおされた題詠の歌会において詠まれた歌であって、何月何日・メンバーはだれそれが同席、時期は春、鳥はうぐいす、場所は鴎外邸宅からの風景そのままだ、と史実にもとづいて分析されたが、
「(だからこの歌が)わかった。」ということにはならないとおもう。
この歌の前にある叙情あふれる随筆(エッセイ)や同時代やまたべつの作品の詩などの作品を読み比べて白秋の叙情性にちかづいたほうが寄り添えるような気がする。
だからといって、「わかった」ことにもならない。
「わからない」からといって、わたしのこころのなかと共鳴しあわないかというとそうでもなくて、
わからないけれども、(意味不明だけれども)なんだかいいきもちになったり、
透明な淡い色彩がみえたり、繊細な音や空気の振るえがかんじられたりする歌がたしかにある。

難解な歌に引き合いにだされているのが塚本邦雄の歌で、
どの歌もやっぱり難解なんだけれども、どちらかというと絵画のなかである具象に寓意をもたせるような手法でねっとりと描かれているような印象をもっている。
だから寓意と具象の関係性を塚本邦雄の作品やそのほかののこされたものでどういう思考性をもって構成されているかというあたりを読み解いてゆくと、案外わかる歌もおおいのかもしれない。


また「わたしはこんなふうにうけとった」と表現していくことは、
「わかった」というよりも、もうすでに「わたしの解釈のなかでの世界の構築」になっていて、
「わかった」からはまたはなれていっているようにもおもわれる。
(これはこれでかなりたのしい。)


短歌・現代詩のみならず、美術や音楽においても、
表現に関してはあらゆるものがあり、
わたしたちの「わかる」範疇を軽々とこえてゆく。


「意味」や表現者の「意図」がつたわらないものは、表現たりえるのか。
あるいは、「意図」と作品がその重みとつりあっていないものはどうか。
たとえば、先日公開放送されていた黒瀬からんさんと斉藤斎藤さんと佐々木あららさんたちの
「からんとかろん」のなかで言及されていた、
「佐々木あららさんと桝野さんとのちがい、あるいはほしのしずるの存在との違い」と
いま大量生産されている短歌(短歌の形をした散文かもしれない)をかぎわける力があるのかどうか自信がない。
また、意味的には明白なんだけれど、それをなにかのときに思い出したり引き合いにだしたりするような歌としてのこりえるのかどうかも疑問だったりする。
(もっともじぶんの歌がいちばんあやうい。)
それは文化的にもあらゆるものが過剰生産・過剰消費されていっている流れとして短歌の一部分もそうなっているのかもしれない。







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by tsukisitau | 2011-01-26 20:32 | *短歌の世界*
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