*月下  桜 の 世界*



「コスモス短歌会」 2011年 1~12月号 自作短歌

忘備録として既に発表している短歌をしるしておきます。
おめだるいことですがご了承くださいませ。



2011年(平成23年)

1月号 杜沢 光一郎選

朝の道にかさりかさりと音たてて落葉の散りて冬近づきぬ

昨年は蚊に足首をさされしと思いいだせり寺の曼珠沙華(今月の5首入選)

曼珠沙華燃えつきはてて忘れられしころにみどりの細き葉のばせり


2月号 武田 弘之選

赤い実が転がっている なんだろう 見上げれば あれ 樅の木がある

渓流の音、黄と緑の葉、鳥の声わたしもここにいてもいいかな

落ち葉らと土をくぐった水だから山の精ある旨き水なり


*新鋭特集*

『自転車をこぐ』

よーいどん走る飛行機翼揺れかぞえはじめて5秒後に浮く

淡路島明石の沖がみえてから右に旋回東京へ向く

高度下げ三層の雲ぬけきれば富士山がいたこっちをみてる

どの道もおそろしく似て振り返る しんと静まる旧軽井沢

籠つきの自転車はよし荷物のせ地図をものせて軽快にこぐ

日に透ける様々な葉がうれしくて立ち止まって観るこころゆくまで

紅葉があまりに見事だったから立ち寄ったんだ「ハルニレテラス」


3月号 宮里 信輝選

朝早く京都につくという友にまず嵐山へゆけと知らせる

引きはじめぐんとからだを傾けてじわじわ動く人力車かな

庭石のひとつひとつは選ばれし石ばかりなり靴脱石も

羽根がやや後ろについているらしく飛ぶ姿にて鴨だとわかる


4月号 特選『ましろのそら』 小島 ゆかり選

着ぶくれてランドセル負い階段を昇るすがたは宇宙飛行士(アストロノート)

冬枯れの枝の高みに自転車のチェーンロックが結わえてありぬ

円陣を組んで置かるる荷物あり子らもとなりで円陣をくむ

朱(あけ)に染む樹に椋鳥らとまりおれば蕾にみゆるふくらふくらの

ひし(、、傍点)という音が降りくる早朝のましろのそらの欅を仰ぐ

雪片のようなことばはふはふはと吐息ですでに消えてしまいぬ



5月号 特選『無骨な手から』 森重 香代子選

三度来てやっと入店叶いたりカウンターのみの近所の寿司屋

工作をしているような一心の無骨な手からかわいい寿司が

如月に「尾瀬の雪解け」、下仁田葱喰いつつちびちび盃を重ねる

オパールの輝きをもつ「のれそれ」を箸の先にて鑑賞したり

器から覗かれているわたしかも黒目白目がわかる「のれそれ」



6月号 高野 公彦選

珈琲を飲みおえたあとのおしゃべりがはるかに長い女性ふたりは

向かいにはいまきみがいるきみがいる偶然ではない奇跡よ奇跡

いい歌をいま君おもいついたのね 軽く笑みつつ携帯をうつ


7月号 岡崎 康行選

猪の牙のような筍が数字書かれて市場に並ぶ

地図のごといりくんでいる生姜らが数字書かれて市場に並ぶ

ひさびさに寄った市場の喫茶店「オーレですね?」と先にいわれる

袋ふたつ左右に提げたおっちゃんが枝垂桜の下にたたずむ


8月号 影山 一男選

東京で激震にあい歌詠めず一月たって溢れだしたり

震災のことには触れず歌を詠むことさえ哀しとおもう一月(ひとつき)

哀しみのことばの津波押し寄せてさらってゆきぬ吾のことばを



9月号 狩野 一男選

真っ黒な蛙はいまだ見ざれどもおたまじゃくしは漆黒である(今月の5首入選)

赤としかいいようのない赤に咲くゼラニウム眩し梅雨晴れの園

雨蛙、きらいと言い切るいもうとも幼い頃には触っておりき



10月号 桑原 正紀選

横転し片足頭の上にある猫のポーズで小学生まろぶ

ありえない猫のポーズで転んでる小学生は縺れをほどく

頬撫でるほかは何もせず立ち上がり歩き出したり小学生は



11月号 森重 香代子選

嫌がらせみたいに冷たい冷房がない夏はいい節電の夏

白髪(はくはつ)の翁・媼が笑みあってマンゴーパルフェをわけっこしてる

木星の色したアイスコーヒーをぐるぐるぐるぐるぐるぐるまわす



12月号 宮里 信輝選

八百屋にてすだちをもとめ魚屋で秋刀魚もとむる秋の夕暮れ

美しき海老は茹でずに見ていたし銀のボウルに水など張りて

松茸の傘ひらかぬは薪のごと武骨に笊の上に並びぬ

蛤も栄螺も数日飼いたしよ日永一日眺めて居りたし



*2月号と新鋭(なぜか新鋭)特集は2010年秋の軽井沢フォーラムの前後の時の歌。
 奥村晃作さん・大松達知さん・宮英子さんを講師に歌を詠むうえでの大事なことを教わった。

 特選に二回入り、しかも『ましろのそら』は6首も採っていただけて嬉しい限り。

 
*11月号のマンゴーパルフェの歌は2012年1月号宇宙花(作品抄)に採っていただき、
 城戸真紀さんより「翁・媼とマンゴーのミスマッチが面白い。白髪とマンゴーの色の対比も絶妙」との評をいただく。
 

*「コスモス短歌会」は10首提出(義務ではないけれど)のうち、3~4首、
 地域とクラスのグループのなかでよければ(今月の5首)に一首入選します。
 さらに推薦されればタイトルを付けていただき、COSMOS集(特選)に5~6首入選します。

 毎回どの選者のかたも丁寧にみてくださっていて、多少のお手入れもしていただいたうえで載っていることもあるので、
 毎回提出原稿の控えと照らし合わせつつ勉強できるのが大変ありがたいです。
 また巻末にも選をしているときにきづかれたこと、共通の注意点なども毎号あって、それも大変勉強になります。

 提出月から三箇月後の号に掲載されます。
 (5月22日に締切の歌が8月号に掲載されます)
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by tsukisitau | 2012-05-25 21:52 | *短歌の世界*
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