*月下  桜 の 世界*



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虹色短歌投稿詠み草 18回~24回

防備録として記しておきます。

エブリスタというページに小島なおさんのエッセイと虹色短歌というコーナーがあります。
そこに提出したものです。
未発表作に限らないとのことなので、
*印はコスモス短歌会で採用された詠み草を提出しています。


「画」第18回

手のはえた鯰の顔が真面目すぎ子供らよりもあはあは笑う

ルノアールの乙女の頬の色をもつ夕暮れの雲輝きにけり



第19回「歳」

*三度来てやっと入店叶いたりカウンターのみの近所の寿司屋

*如月に「尾瀬の雪解け」、下仁田葱喰いつつちびちび盃を重ねる

*白髪(はくはつ)の翁・媼が笑みあってマンゴーパルフェをわけっこしてる



第20回「椿」

下町の椿はどこか人に似て家の門(かど)にて語り掛けくる

蝋梅を見んと出かけし公園の椿に見惚れ初志を忘れる

子どもの手踏んでしまいし感触につい謝りぬ 落ち椿らに (採用)

白椿ふくらふくらみ桃色のちろりと舌を出して笑いぬ


選んでいただきました。

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子どもの手踏んでしまいし感触につい謝りぬ 落ち椿らに
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月下 桜さんの作品。

落ちた椿を踏んだ感触が、子供の手を踏んだ感触に似ているという、感覚の優れた作品です。

椿というのは、花びらが散るのではなく、花がまるごとぼとっと落ちますので、たとえ足の裏でも、重なる花びらの質感まで十分感じることができます。

結句の「落ち椿らに」という部分、口にするときやや詰まるので、以下のようにすると自然な流れになります。

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子どもの手踏んでしまいし感触に落ちし椿につい謝りぬ
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第21回「火」


サイフォンの下にゆれたるアルコールランプのほのおをぼんやりみており

煎餅を焼くかのように手のひらをひっくりかえす焚き火囲みて

しんしんと凍てる町家に炭つげば火箸より熾(おき)に降れる粉雪

ゆるゆると描かれてゆく大の字を見つつ思うことのあれこれ



第22回「桜」

*レジ袋左右に提げたおっちゃんが枝垂桜の下にたたずむ

*このまんま桜になってしまいたい そうして貴方を包んでいたい

またきっときてくださいねというごとく枝垂れ桜は指にふれたり

音もなく散るはなびらは地に着けばさらさらと鳴る吾の足元に


第23回 「光」

*朝起きて光を浴びて目を閉じる 宇宙のなかに今生まれたの

*線路脇黄花コスモス揺れ眩し扉付近に立ってる理由

*赤としかいいようのない赤に咲くゼラニウム眩し梅雨晴れの園

曇天の朝にも東に手を合わせ頭を垂れる媼おりたり



第24回  「動物」

*猫なりに気をつかいつつ生きている 砂浴びの順を伏せ待つ黒猫

*なにゆえにいきているのか考えるふうな顔して猫 糞をひる

*縞リスを飼ってもいいかと立ち止まる君の不在の日曜の午後

*足元に纏わりつきし犬たちのリードは絡みて一本となる

*意地を張り地面に伏せし犬かかえ少女は歩く夕暮の町
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by tsukisitau | 2012-09-02 22:57 | *短歌の世界*

コスモス短歌会 『桟橋』111号詠み草・そのほか。

防備録として記しておきます。


コスモス短歌会 『桟橋』111号詠み草



コップのなか



沈めても沈めてもまた浮いてくる海月のような氷と遊ぶ

透けて見ゆ明るきアイスティーの色グラスに眩し夏ちかづきぬ

透明の透明・透明・透明のグラスの向こうの色がまだ見ゆ

となりあうことを避けたれど聞こえくる女のお喋りたえることなし

レントゲン写真のなかの骨のごと透けて並べるコップの氷

弓なりの檸檬をさらに撓むれば汁と香気をパッと放てり

とけかけたこおりのまるみを愛しみコップのなかを覗き込みおり

空気らが冷却されて水になる自然のめぐり卓上にあり

明るめるアイスティーの後にみるアイスコーヒー冥き夜のごと

ポーションを垂らせばゆるゆる沈みゆくさまよく見えるアイスコーヒー

行きつけの歯医者の治療ながきこと二時間ばかり喋りたる女(ひと)

わたくしは連れならぬゆえ立ち去れり喋りつづける女(ひと)を残して


*今年、平成24年より「桟橋」に入会させていただいた。
平成22年10月のコスモス短歌会:軽井沢フォーラムで奥村さん、大松さんとご一緒した折に
大松さんから桟橋誌を頂いたことがきっかけ。
一年購読させていただき、昨年の12月のコスモス出版記念会後期(これもフォーラムに参加したことがきっかけで参加してみようと思い、平成22年12月より参加。)に奥村さん、大松さんにご相談したうえで入会の意思を伝える。
桟橋の会は5月の110号から出席。
111号からの出詠。

・物ばかり詠まれている、つくりが荒い、伝えたい思いはわかる
・連作にしないほうがいい
・どういう場面なのかわかるようなのがあるといい
・氷の歌はおもしろい
などのご意見をいただく。



題詠
「一」を三回詠む

一人過ぎまた一人過ぎ二人過ぎ一人過ぎゆく皇居ランナー



短歌研究9月号

短歌研究新人賞予選通過作として

さみしいと打てば次からさみしいと予測変換される さみしい

折々に澱(おり)浮き上がるわれなれば清酒のごとく澄みゆくを待つ



東日本大震災文化財修復等支援事業
平城京跡短歌大会
選 高野公彦 吉川宏志


南天の艶やかな実を旨そうとわたしのなかの小鳥が欲す

柴犬は何度も何度も振り返り主人(あるじ)の歩みと笑みを観ている

束ね(つかね)たる畑の小菊ふくらみてなお奔放な勢いを見す
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by tsukisitau | 2012-09-02 22:50 | *短歌の世界*

「コスモス短歌会」 2011年 1~12月号 自作短歌

忘備録として既に発表している短歌をしるしておきます。
おめだるいことですがご了承くださいませ。



2011年(平成23年)

1月号 杜沢 光一郎選

朝の道にかさりかさりと音たてて落葉の散りて冬近づきぬ

昨年は蚊に足首をさされしと思いいだせり寺の曼珠沙華(今月の5首入選)

曼珠沙華燃えつきはてて忘れられしころにみどりの細き葉のばせり


2月号 武田 弘之選

赤い実が転がっている なんだろう 見上げれば あれ 樅の木がある

渓流の音、黄と緑の葉、鳥の声わたしもここにいてもいいかな

落ち葉らと土をくぐった水だから山の精ある旨き水なり


*新鋭特集*

『自転車をこぐ』

よーいどん走る飛行機翼揺れかぞえはじめて5秒後に浮く

淡路島明石の沖がみえてから右に旋回東京へ向く

高度下げ三層の雲ぬけきれば富士山がいたこっちをみてる

どの道もおそろしく似て振り返る しんと静まる旧軽井沢

籠つきの自転車はよし荷物のせ地図をものせて軽快にこぐ

日に透ける様々な葉がうれしくて立ち止まって観るこころゆくまで

紅葉があまりに見事だったから立ち寄ったんだ「ハルニレテラス」


3月号 宮里 信輝選

朝早く京都につくという友にまず嵐山へゆけと知らせる

引きはじめぐんとからだを傾けてじわじわ動く人力車かな

庭石のひとつひとつは選ばれし石ばかりなり靴脱石も

羽根がやや後ろについているらしく飛ぶ姿にて鴨だとわかる


4月号 特選『ましろのそら』 小島 ゆかり選

着ぶくれてランドセル負い階段を昇るすがたは宇宙飛行士(アストロノート)

冬枯れの枝の高みに自転車のチェーンロックが結わえてありぬ

円陣を組んで置かるる荷物あり子らもとなりで円陣をくむ

朱(あけ)に染む樹に椋鳥らとまりおれば蕾にみゆるふくらふくらの

ひし(、、傍点)という音が降りくる早朝のましろのそらの欅を仰ぐ

雪片のようなことばはふはふはと吐息ですでに消えてしまいぬ



5月号 特選『無骨な手から』 森重 香代子選

三度来てやっと入店叶いたりカウンターのみの近所の寿司屋

工作をしているような一心の無骨な手からかわいい寿司が

如月に「尾瀬の雪解け」、下仁田葱喰いつつちびちび盃を重ねる

オパールの輝きをもつ「のれそれ」を箸の先にて鑑賞したり

器から覗かれているわたしかも黒目白目がわかる「のれそれ」



6月号 高野 公彦選

珈琲を飲みおえたあとのおしゃべりがはるかに長い女性ふたりは

向かいにはいまきみがいるきみがいる偶然ではない奇跡よ奇跡

いい歌をいま君おもいついたのね 軽く笑みつつ携帯をうつ


7月号 岡崎 康行選

猪の牙のような筍が数字書かれて市場に並ぶ

地図のごといりくんでいる生姜らが数字書かれて市場に並ぶ

ひさびさに寄った市場の喫茶店「オーレですね?」と先にいわれる

袋ふたつ左右に提げたおっちゃんが枝垂桜の下にたたずむ


8月号 影山 一男選

東京で激震にあい歌詠めず一月たって溢れだしたり

震災のことには触れず歌を詠むことさえ哀しとおもう一月(ひとつき)

哀しみのことばの津波押し寄せてさらってゆきぬ吾のことばを



9月号 狩野 一男選

真っ黒な蛙はいまだ見ざれどもおたまじゃくしは漆黒である(今月の5首入選)

赤としかいいようのない赤に咲くゼラニウム眩し梅雨晴れの園

雨蛙、きらいと言い切るいもうとも幼い頃には触っておりき



10月号 桑原 正紀選

横転し片足頭の上にある猫のポーズで小学生まろぶ

ありえない猫のポーズで転んでる小学生は縺れをほどく

頬撫でるほかは何もせず立ち上がり歩き出したり小学生は



11月号 森重 香代子選

嫌がらせみたいに冷たい冷房がない夏はいい節電の夏

白髪(はくはつ)の翁・媼が笑みあってマンゴーパルフェをわけっこしてる

木星の色したアイスコーヒーをぐるぐるぐるぐるぐるぐるまわす



12月号 宮里 信輝選

八百屋にてすだちをもとめ魚屋で秋刀魚もとむる秋の夕暮れ

美しき海老は茹でずに見ていたし銀のボウルに水など張りて

松茸の傘ひらかぬは薪のごと武骨に笊の上に並びぬ

蛤も栄螺も数日飼いたしよ日永一日眺めて居りたし



*2月号と新鋭(なぜか新鋭)特集は2010年秋の軽井沢フォーラムの前後の時の歌。
 奥村晃作さん・大松達知さん・宮英子さんを講師に歌を詠むうえでの大事なことを教わった。

 特選に二回入り、しかも『ましろのそら』は6首も採っていただけて嬉しい限り。

 
*11月号のマンゴーパルフェの歌は2012年1月号宇宙花(作品抄)に採っていただき、
 城戸真紀さんより「翁・媼とマンゴーのミスマッチが面白い。白髪とマンゴーの色の対比も絶妙」との評をいただく。
 

*「コスモス短歌会」は10首提出(義務ではないけれど)のうち、3~4首、
 地域とクラスのグループのなかでよければ(今月の5首)に一首入選します。
 さらに推薦されればタイトルを付けていただき、COSMOS集(特選)に5~6首入選します。

 毎回どの選者のかたも丁寧にみてくださっていて、多少のお手入れもしていただいたうえで載っていることもあるので、
 毎回提出原稿の控えと照らし合わせつつ勉強できるのが大変ありがたいです。
 また巻末にも選をしているときにきづかれたこと、共通の注意点なども毎号あって、それも大変勉強になります。

 提出月から三箇月後の号に掲載されます。
 (5月22日に締切の歌が8月号に掲載されます)
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by tsukisitau | 2012-05-25 21:52 | *短歌の世界*

「コスモス短歌会」 2010年 1~12月号 自作短歌

忘備録として既に発表している短歌をしるしておきます。
おめだるいことですがご了承くださいませ。


2010年(平成22年) 

1月号 杜沢 光一郎選

丸薬をぶちまけたように散らばれる虫の糞ありこの樹に棲むか

山上に天地ことほぎ舞い歌う吾が手の甲に蝶とまりたり

一番に熟れいし柿を見上ぐれば鵯(ひよ)が食いしか半分残る


2月号 森重 香代子選

胸丈に揺れる秋草 黄緑のかぼそき線で風を描ける

秋深し草木はすべてを還したり冬越すために葉も花も実も

霜月の夕日に染まる赤き葉をひとつひとつつまみあげゆく

軸までも透き通る紅ひとつづつひろいあつめてまた地に還す

(12月号 縞りすの歌 藤村学選 津玲海智子評 自解)


3月号  

欠詠

4月号

欠詠

5月号 杜沢 光一選

君の腕を抱えて眠る冬眠の尻尾にくるまるリスの如くに

生命を維持する不安微塵もなく存在できることの奇跡よ

生きているわたしは軀の幾ばくも知らないままで生きてきている


6月号 桑原 正規選

後輪に巻き上げられし水煙がヘッドライトに照らし出される

週末が雨でも雪でもかまわない二人でいることそれがうれしい

雨音のよわきつよきに聴きいっていつしか眠る水底のよう


7月号 岡崎 康行選

君に「未来」吾に「コスモス」あることの 輝ける場所それぞれがもつ

僕たちは言葉に纏わるあれこれも遠心力で振り切ってゆく

今晩は「未来」の仲間にあってくる カチリ鍵かけごんごん降りる


8月号 影山 一男選

日本画のしっとりとした風景は写実だとしる雨上がりの朝

このまんま桜になってしまいたい そうして貴方を包んでいたい

たましいが戻ってくるのは少し後 今日は夜になるかも知れない

静寂と清浄なときに包まれてわたしはわたしを取り戻しゆく


9月号 特選『魂が出た』 宮里 信輝選

東京の朝のラッシュに乗り合わせぎゅうと押されて魂がでた

電車には八百人はいるだろう いるだろうけど一人も知らぬ

並走す電車の車両に君おれば窓開け放ちくちづけをせん

線路脇黄花コスモス揺れ眩し扉付近に立ってる理由

新快速湖西線経由敦賀ゆき このまま乗って行ってもよいか



10月号 木畑 紀子選

この花の名前は何といったかと思案しおれば君も名を問う

降り出した雨音すれど聞こえくる少年野球の大き掛け声

背丈より大きな向日葵咲く町はおはようさんと素直に言える


11月号 影山 一男選

足元にまとわりついた犬たちのリード絡んで一本となる

散歩やだと伏せて意地張る犬かかえ少女は歩くゆうぐれの町

ころころと熊よけ鈴を鳴らすのはハイカーにあらず散歩の柴犬


12月号 狩野 一男選

比叡山登る眼下に琵琶湖見ゆ大いなる水大いなる山

流れゆく白いもわもわ雲のよう雲なのだろう雲に乗ってる

黄ダリアの和菓子の如き造形に見入りて深き呼吸している

美しいものとすごせば穏やかな心地すわれもうつくしきもの (今月の5首入選)



*この年度(前年の年末)の欠詠二回がいけなかった。このために昇級できず。
 「今月の5首」に選んでいただけて嬉しい。
 だんだん3首より4首採っていただけるのが嬉しく、よくばりになってくる。
 この年にはじめて特選に入る。この歌は題詠ブログのもの。
 (特選ということに気づかず、じぶんの歌がどこにいってしまったのかしばらく発見できなかった。)
 いちおう10首のなかにゆるいテーマを決めて出すように心がけている。
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by tsukisitau | 2012-05-24 23:08 | *短歌の世界*

「コスモス短歌会」 2009年 8~12月号 自作短歌

忘備録として既に発表した歌をアップしておきます。
おめだるいことですがご了承くださいませ。


コスモス短歌会  2009年(平成21年)4月入会

8月号 小島 ゆかり選

何もせず横たわっているだけのわたしの爪は絶えずのびおり

静寂と沈黙愛し横たわる我はこのまま何になるのか

猫なりに気をつかいつつ生きている砂浴びの順伏せ待つ黒白


9月号 宮里 信輝選

家を出てお互い離れているほうが程よい加減が保たれている

一斉にクラッカーが鳴り響くがの鉄砲百合は祝福の花

穏やかに互いを想い手でふれるわたしは君の一部になってる


10月号 柏崎 驍二選

おくと打てば奥村とでる携帯に慕うこころが残されている

知らせればよかったって月曜の夕にも思う金曜の虹

午後四時に土よりぼこっと生まれ出で歩道横切る蝉の幼虫


11月号 木畑 紀子選

灰色の空と海との境目をまさぐるように滑りゆく船

氷には小指で突いて窪ませたようなえくぼがひとつついてる

朝起きる光を浴びて目を閉じる宇宙のなかに今日生まれたの


12月号 影山 一男選

みぞおちにみどりの蝶が飛んできた一瞬にしてけやきになった (今月の5首入選)

米粒の大きさほどの蟻の巣に突き刺さりたる透明の羽

なにゆえにいきているのか考えるふうな顔して猫 糞をひる

縞リスを飼ってもいいかと立ち止まる君の不在の日曜の午後
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by tsukisitau | 2012-05-24 22:55 | *短歌の世界*

題詠blog2011に参加いたします (月下  桜)

今年も題詠blog2011に参加いたします。

おととしは50前でタイムアップ;;
昨年は前後の題を詠み込むということで一月ほどで完走できました。
今年も題詠blog2011ならではの歌がうまれるかとおもい、たのしみです。
どうぞよろしくおねがいいたします。
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by tsukisitau | 2011-02-07 00:23 | *短歌の世界*

わからない歌とは。

『短歌研究』2月号に穂村さんの50首が載っていて興味深い。
それとあわせて「わからない歌」特集がまたおもしろく、わからない歌にひきあいにだされている穂村さん。
そもそも「わからない」ってなんだ?というあたりからしておもしろいとおもう。

「わからない」、あるいは「わかる」というのは、いろんなとらえかたがあるのだろうけれど、
じぶんのなかのなにかと共鳴しあうかどうか(それが不協和音だとしても)ということなんじゃないかな、とおもう。

歌を「読む」ということについてはさまざまな方法があったり解釈がちがうのだろうけれど、
一文字一文字の意味をたどってゆく方法であったり、
歌を詠まれた背景や情景を資料で辿る方法であったり、
その人となりをしることで浮き上がってくるものであったり、
いろんな手段でのアプローチがある。

たとえば岡井さんが講演会で話をされていた、
白秋の
春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと外の面の草に日の入る夕

これが、森鴎外の邸宅でもよおされた題詠の歌会において詠まれた歌であって、何月何日・メンバーはだれそれが同席、時期は春、鳥はうぐいす、場所は鴎外邸宅からの風景そのままだ、と史実にもとづいて分析されたが、
「(だからこの歌が)わかった。」ということにはならないとおもう。
この歌の前にある叙情あふれる随筆(エッセイ)や同時代やまたべつの作品の詩などの作品を読み比べて白秋の叙情性にちかづいたほうが寄り添えるような気がする。
だからといって、「わかった」ことにもならない。
「わからない」からといって、わたしのこころのなかと共鳴しあわないかというとそうでもなくて、
わからないけれども、(意味不明だけれども)なんだかいいきもちになったり、
透明な淡い色彩がみえたり、繊細な音や空気の振るえがかんじられたりする歌がたしかにある。

難解な歌に引き合いにだされているのが塚本邦雄の歌で、
どの歌もやっぱり難解なんだけれども、どちらかというと絵画のなかである具象に寓意をもたせるような手法でねっとりと描かれているような印象をもっている。
だから寓意と具象の関係性を塚本邦雄の作品やそのほかののこされたものでどういう思考性をもって構成されているかというあたりを読み解いてゆくと、案外わかる歌もおおいのかもしれない。


また「わたしはこんなふうにうけとった」と表現していくことは、
「わかった」というよりも、もうすでに「わたしの解釈のなかでの世界の構築」になっていて、
「わかった」からはまたはなれていっているようにもおもわれる。
(これはこれでかなりたのしい。)


短歌・現代詩のみならず、美術や音楽においても、
表現に関してはあらゆるものがあり、
わたしたちの「わかる」範疇を軽々とこえてゆく。


「意味」や表現者の「意図」がつたわらないものは、表現たりえるのか。
あるいは、「意図」と作品がその重みとつりあっていないものはどうか。
たとえば、先日公開放送されていた黒瀬からんさんと斉藤斎藤さんと佐々木あららさんたちの
「からんとかろん」のなかで言及されていた、
「佐々木あららさんと桝野さんとのちがい、あるいはほしのしずるの存在との違い」と
いま大量生産されている短歌(短歌の形をした散文かもしれない)をかぎわける力があるのかどうか自信がない。
また、意味的には明白なんだけれど、それをなにかのときに思い出したり引き合いにだしたりするような歌としてのこりえるのかどうかも疑問だったりする。
(もっともじぶんの歌がいちばんあやうい。)
それは文化的にもあらゆるものが過剰生産・過剰消費されていっている流れとして短歌の一部分もそうなっているのかもしれない。







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by tsukisitau | 2011-01-26 20:32 | *短歌の世界*

コスモス短歌会 2日目。 宮英子さんと奥村晃作さんと大松達知さん。

軽井沢でのコスモス短歌会です。

2日目は「題詠」の歌会。
題は「かる」です。

信濃の枕詞で「みすずかる」っていうのがあるんだね。
今回初めて知りました。

この「かる」が曲者で、「軽い」「軽々」でつかうと軽い歌になってしまったり。
詠みこもうとする意欲が先にたってしまって、それが露出してしまったり。
みごとに多くの歌たちがお三方にばっさばっさと刈り取られてしまいました。。。w。。。

ネットでは題詠のことが多いのですが、題詠の奥深さをしった2日目でした。


昼食もご一緒させていただきました~♪

「うふっふ~♪」なおふたりです。
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宮さんもいらっしゃいました。
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このあと、ご一緒させていただいた写真と、
わたくしめが奥村さんの腕にくっついてきゃ~きゃ~♪ 言っている、
すばらしい出来の写真があるのですが。。。
それはもう、なにかのときに写真をだしてくださいといわれたら、その写真を出したいくらいにいい!
宝物です~!!!


お三方と!
「あの!握手しても、いいですかっっっ!」
「あの!せっかくなのでっ!!! 腕くませていただいてもよろしいですかっっっ!!!」
きゃ~~~♪
「はぅ~~~♪ しあわせすぎます~♪」
*しあわせのおすそ分け~♪*





あまりのしあわせすぎに意識朦朧w
昼食は宮さんまたワインですw
おしゃれですね~。
10月半ばでしたが、
もうすでに「ボジョレーヌボーの会は今年はどこでするの~?」と楽しみにしておられます。
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このあと、ホテルのバスを借り切っての周遊です。




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by tsukisitau | 2010-11-05 19:22 | *短歌の世界*

コスモス短歌会 奥村晃作さんと大松達知さん。 *うふっふ~♪*

夕食のあとは懇親会。
歌会の隣の宴会場です。
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こちらではマクロカメラをだして撮影させていただきました~^^

奥村さんがうたわれたのは、
「夏が過ぎ 風あざみ だれの憧れにさまよう 青空に残された 私の心は夏もよう~♪」
井上陽水の『少年時代』でした。
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大松さんがうたわれたのは、
「流れる季節の真ん中で ふと日の長さを感じます~♪」
レミオロメンの『3月9日』でした。
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そしてお二人で歌うのは。
「探しものは何ですか. ... 探すのをやめた時 見つかる事もよくある話で・・・」
井上陽水の『夢の中へ』。
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うふっふ~♪
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旅行のバスのなかでみんなで歌った曲だそうです。
お二人にとっては、欠かせない曲。



じぃっとききいる奥村さん。
隣にきておはなししてくださったのです~♪
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うっひゃ~♪
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どきどき♪
いいお顔です~!
(家で取り込んでデスクトップでみたとき「きゃ~!」っていっちゃいました!)



大松さんも隣にきてくださいました~♪
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なかなかいいお顔です~!
大松さんには撮影しているところをすぐ察知されてしまいましたw
撮影していることを忘れてもらえるくらいさり気なく撮りたいですね~。


懇親会の席には、みなさんもちよりで手作りの郷土のおつまみをだしてくださいました。
栗の甘露煮。(おおきくてワイン味がしましたよ?)
小鮒の佃煮。(たんぼに放って泥抜きしたのを売り出しているそうです。おなかがぷくっとしていてかわいい)
茸のきんぴら。(なかなかみられない茸をきんぴらにしてくださいました。)
黒い豆の甘煮。(黒い空豆みたいな豆が甘くておいしかったです。金時豆みたいでした)
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このあと、ホテルのバスをだしてくださって、星観会があったのですよ。
たのしみにしていたので、ありったけの服をきこんで参加しました~。
まっくらがりなので、いったいどこをどう走っているのかわからないものです。
どうやらレタス畑のようでした。
主催の橘さんがものすごく詳しい!(星も茸も自然のことなんでも)
プラネタリウムみたいに懐中電灯で指し示しながら星や星座の話をしてくださいました。
かなり月があかるめでしたが、傾いたころをみはからってつれてきてくださったのでした。

上をみあげていると首がこるので、大松さんはごろり。
わたしもごろり。
ねっころがると、そらがひろくみえますね。

これはカシオペアの右の部分。
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星っていっぱいあるんだなぁ。

すっかりわすれてしまっていた、なつかしい星のなまえとか。

流れ星も3こみえました。


いろんなことをいっぱいおもって、おもって、からっぽになりました。


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ありがとうございます。



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by tsukisitau | 2010-11-04 20:43 | *短歌の世界*

短歌点オフ会。 *濃かった!*

10月23日(土)は、
みくしいのコミュ「短歌点」
(題詠でトップをとったひとが次の題および選歌をする)の
オフ会に夫:瀬波と参加してきました。
「短歌点」・・・ほとんど参加できてないけれど・・・w・・・
短歌のことを語れる友がいるってうれしいです。


前回はノーマルな歌会でした。
今回はエリンギの会、(アブノーマル、というか、歌会ではない会)ということで、
好きな歌人を一人:歌を7首あげ、熱く語る!!!
というテーマでした。


エリンギの会、みなさんがテーマに掲げた歌人を発表です!!


瀬波麻人さん・・・「加藤治郎」

リスさん  ・・・「早坂類」

ふみまろさん・・・「吉川宏志」

笠原さん  ・・・「水原紫苑」

月下 桜さん・・・「奥村晃作」

藻上旅人さん・・・「杉山理紀」

きらくさん ・・・「柳澤真実」

パンタタさん・・・「松野志保」

拓諳さん  ・・・「今野寿美」

きくさん  ・・・「紀野恵」

ツトムさん  ・・・「松木秀」


当日きくところによるとツトムさんも「奥村晃作」を挙げていたとのこと。
ここはぜったいゆずれないところです。

大阪道頓堀のサイゼリヤというファミリーレストランで陣取って。
10名ですから70首。
歌をはしょったとしても。。。
1時開始6時過ぎ解散・・・・。

ときどきプテラノドンみたいな「ぴきゃーーーーーーーーーーー!!!」というこどもの声が
響いていたり。

お店の方からしたら、不思議な集まりだったでしょうね~。。。。

濃かった~・・・・w


やっぱり、歌を詠む原点ってそれぞれにあるんだなぁって。
いろんな方向にいきつつも、原点にたちかえりつつがんばろうっておもえたりするんだなぁって。

どうして好きなんだろう。

あらためてじぶんなりの言葉にだしてみると、
あぁ、そうだったんだって、気がつくことが多かったです。


「奥村晃作」さんの犬のうた。

 犬はいつもはつらつとしてよろこびにからだふるはす凄き生きもの


瀬波が電車の隣の席でNHK短歌をひらいていたページにあった歌。

すごいっておもった。

「犬」をとらえきっているとおもったし、わたしもこんなふうに生きていいんだっておもった。
こんなふうに生きようっておもった。
素直にあらゆるよろこびを受け取って、うけとったよろこびをいつでも素直に表現しようっておもった。

だから、「いま」 がある。


そのほかに挙げた歌は以下のとおり。


どこまでが空かと思い 結局は 地上スレスレまで空である

海に来てわれは驚くなぜかくも大量の水ここにあるのかと

これ以上平たくなれぬ吸殻が駅の階段になほ踏まれをり

フラミンゴ一本の脚で佇ちてをり一本の脚は腹に埋めて

信号の赤に向かひて自動車は次々止まる前から順に

轢(ひ)かるると見えしわが影自動車の車体に窓に立ち上がりたり



「ただごと歌」は認識・発見・気づきの歌。
ものすごく素直で、「わぁ~、そういえば、そうだよね!」と共感してしまう歌。
でも、トリビア(豆知識・雑学)とかではなくて、
世界を「自分世界」に定義しなおす、という感覚に近いとおもう。


そういえば、駅の階段の吸殻、みなくなったな~とか。
(すごい時代の流れのはやさ!しかもいい方向!)
そういえば、雀とか鳩とか烏は一本脚でたたないな~とか。
(寒いところの鶴とか、水の中の鷺とかは立つかな?)
そういう点で、「自分世界」の辞書が拡大していく感覚がおもしろいです。



他の方のあげてくださった歌と歌人さんも、よんでみたいっておもいます。


ありがとうございました。


あまりの内容の濃さに、しばらく(数日)あたまが飽和状態でした。。。。w。。。。



またご一緒できますことをたのしみにしております。





*よんでくださってありがとうございます。



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by tsukisitau | 2010-10-27 11:24 | *短歌の世界*


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