指からめあふとき風の谿は見ゆ ひざのちからを抜いてごらんよ 大辻隆弘
私の見た風景です。
先日、『ハウルの動く城』を観たからでしょうか。
お年頃の男女二人が指をからめて立って風景を眺めているとおもったら、
ふわりと空へと浮き上がるイメージです。
ちょうど、ソフィーがハウルに肩に手をまわされたまま空を歩いてバルコ
ニーにふわりと降り立つような。
それから、天空の城ラピュタで、パズーとシータがグライダーにのって懐か
しい故郷へ滑空してゆくような。
そういえば、その前の「バルス!」の破壊の呪文をふたりでとなえるとき
も、指を絡めあい、ラピュタは崩壊し、世界樹とふたりはぐんぐん空へと昇
っていくんでしたよね。
加えていえば、風の谿(かぜのたに)といえば、ナウシカでしょうか。
彼女もメーヴェという軽飛行機を操縦しますが、機械に乗っているのでは
なく、風になっている感じですよね。
最後の場面でもこどもたちにグライダーを教えていました。
そういう風景が最初にみえました。
それからシャガールの浮遊する恋人たちの姿。
指を絡めあうふたりは、おなじ方向・おなじ気持ちで立っている。
無心に。
ただ、一緒の時空間を共有しているだけで満ち足りている。
視線は地平線や空を、みているのではなくて、
「風の谿」かぜのたに、すなわちとても開放的でここちよい地点に二人で
立っている。
お互いの存在がおなじ温度で溶け合うように。
ひざのちからを抜いたらどうなるか。
・
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かっくん、ってなる。
そしてからだは反射的に斜め上に伸び上がる。
そう。
空にむかって。
ふたりだったら、なんだってできる。
なんだって、できるんだよ。
*よんでくださってありがとうございます。
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